ストキャスティクスを価格チャートに直接表示できるのか?

Chart Stoch. || On Chart Stochastic

ストキャスティクスをチャートに表示することなんて可能なのか?

ストキャスティクスとは何か?

RSIとともに最も人気のあるオシレーター系のインジケーターがストキャスティクスですが、ストキャスティクスとは一体何か、皆さんよくご理解いただけているでしょうか?
初心者の方でも目につきやすい代表的なインジケータなのでとりあえず使ってみたことがある方は多いと思います。そして、恐らくですが…
80%のラインを下回ってきたところでシグナルを下抜け、
「きたきたきたきたーBIGチャンス!
満願込めて、SELLボタンをポチッ。

ショートはやっぱりこうでなくっちゃ!とぐんぐん価格は勢いよく下降↓、と思いきや…
少し下がったところで価格は行ったり来たり。
「いや、ストキャスのシグナルが高値からの下落を示してたんだからもうちょい粘れば下がってくるはず。いまこそ、いよいよ損失挽回のチャンスだぜ
そう考えて、ホールドを続けていても一向に価格は下がらず、チャートとにらめっこ。
気付けば含み損。「だけどストキャス下がってんぜ?価格も下がるんでしょ?」
一旦、信じた自分のラブリーポジションを手放せずにいると、ストキャスの下降具合ほど価格は下がってなかったのにいきなり、今度は20%あたりからの逆行のゴールデンクロス。
「あかんやないかいっ!買いやないかいっ!なんでじゃい!」
みたいなこと、経験ないでしょうか?

ストキャスティクスでダマしにあったことがある人ならば誰でもこう思ったことがあると思います。
「いや、つうか雰囲気過ぎない?ストキャスって…」

そうなんです。誤解を恐れずに言えば、ストキャスティクス(※オシレーター系のインジケーター全般に言えます)は雰囲気を数値化したインジケーターなんです。したがって雰囲気過ぎるのが実は当然なんです。

ストキャスティクスはなぜ存在するのか?

では、なぜそんな曖昧模糊としたインジケーターが存在するのでしょうか?
ぼくらが待っているのは絶対勝てる魔法のようなインジケーターなのに…
なんでそんな雰囲気美人みたいなやつが存在するんだよッ!思わせぶりな態度とるんじゃねぇよ。
君とは出会わなければよかった…(泣)
憤る気持ち、よくわかります…
私も当然、憤ってまいりました…
ストキャスティクスさんの本当の姿を知るまでは。

脱線しますが、絶対勝てる魔法のようなインジケーターはこの世に存在しません。
それとともに、絶対勝てる手法も存在しません。
ひょっとしたらアラブの富豪とかならば購入済みなのかも知れません…
しかし、我々が知るところのこの世には存在していないでしょう。
むしろ、存在しないことを認めたほうがこの先、圧倒的にです。

閑話休題

話を戻しますが、じゃあなぜそんな雰囲気重視のインジケーターが存在するのか?
そうです。お気付きになったでしょうか。
実は順序が逆なのです。
雰囲気を知るために昔の偉い方(ジョージレーンさん)が作ったインジケーターなのです
それはつまり、どういうことかというと…
チャートのプライスアクションにおいては、雰囲気を知ること重要なのだということです。
雰囲気を敏感に感じ取り、次に起こりそうなことを予測していく。
無機質で無言、無感情でランダムなプライスアクションがストキャスティクスという眼鏡をかけて見ると少なくとも雰囲気を伴った「あ、~ぽいな」くらいのイメージが持てるくらいの、そうですね、例えて言うならばかわいいペット的?な生き物的?な何かに見えてくると思います。

結論
ストキャスティクスはチャートに雰囲気を与えるために存在しているのだ!
ということです。

ストキャスティクスの仕組み

それではいよいよストキャスティクスの仕組みについて考察していきましょう。

まず、整理しておきたいのですがストキャスティクスには3つのパラメータがあります。
①%K(パーセントケー)
②%D(パーセントディー)
③Slow%D(スロウパーセントディー)
まず、この呼び名ですでに混乱してしまって

「イヤーもうパラメーターなんて初期設定が一番だよ!
え?理由?みんなが見てるからだよ!みんなが見てるからそれを基準にしたらいいに決まってるだろう!だってみんなが見てんだから!当たり前だろっ!」

「 ……… 」

だって、理由は「みんなが見てるから!」
という、よく考えたら支離滅裂なロジックで5,3,3に疑問を持たずに使っている人のなんと多いこと…

ふつうにチコちゃんに叱られます。
んなが見ているパラメーターでみんな勝っていたら、相場の世界に負け犬なんていねぇだろ…
そんなことにすら気付いていないアナタ、実は勝ってなくねぇか?
深い考察もなしで、ただ単に初期設定推しばかりしている方は、実は初心者だったり無責任な方だったりトレーダーではなく単なるアナリストだったりするので注意しておきましょうね。
但し、深い考察の上初期設定が一番だと真摯に答えを出せたかとのご意見は非常に有益だと考えられますのでよく耳をかたむけて注意深くお話を聞いておきましょう。

それでは、賢明な投資家をめざす我々はちゃんと順番に意味を考えて、自分の頭の中に落とし込んでいきましょう。

それでは①番、%K。
%なんてついてますが入力値に百分率はとりあえずカンケーないです。
%Kのパラメーターにnを入力
ならば、過去n本間の高値安値の幅の値を使用する、という意味です。
5ならば過去5本の最高値を100%、最安値を0%ととして実際の価格が、何%に値しているのかを計算しているのが%Kというわけですね。
5本の間の値動きの最安値が100円、最高値が101円で、価格が100円60銭ならば
高安値の値幅は1円=100銭で価格が最安値から60銭なので、60/100×100=60%で
%Kは60%ということになります。
勿論、価格は常に最新の終値なので刻々と変わります。
現在価格からn本分の価格を参照していくわけですから、高値安値も変わっていきます。
それに伴って、%Kの値も刻々と変わっていくわけです。

ここで終値のラインチャートを思い浮かべてください。傾き具合は分かりますが、勢いがあるのか、それとも反転しそうなのか、ラインチャートだけではとてもじゃないですが判断できませんよね。
%Kの値であってもそれは同様で、それだけでは如何ともしがたく、なにか杖になるようなものが欲しい…

そこで考え出されたのが、%D。
②番です。
これは、先ほど求められた%Kの値の移動平均を算出して平滑化して動きに方向を見えやすくさせているものです。いま、エラそーに”移動平均を算出して平滑化して”と申し述べましたが、これはかみ砕いて言うと”過去の価格を大雑把に参考として”という意味に近いと思います。
あくまで、過去の値動きを参考に算出されいる値に過ぎないので、次の値動きを完全に捉えているわけではなく、過去の平均と比較して現在値がどこにあるかを示しているに過ぎないのです。
移動平均、みなさんよくご存じのSMAだとかEMAだとかのMA(MovingAverage)と同じです。
%Dのパラメーターにxを入力
ならば%Dは%Kの期間x分の移動平均、ということですね。
これで、%Kを支えている杖になる部分が見えてきたという事になります。
杖が下から支えていてくれるならば、上昇トレンド中であるし、杖で上から抑えられているようであれば下降トレンド中であると考えられます。

この2本のライン、%Kと%Dであらわされているインジケーターをファストストキャスティクスと呼びます。
このストキャスティクスの利点は雰囲気の変化に敏感という点ですが、終値と一本の短期MAの関係に近く敏感すぎるがゆえに状態が変わりやすく、いわゆるダマしが発生する確率が上がってしまうという欠点を伴います。

そこでさらに編み出されたのが、Slow%D。
③番です。
ファストストキャスティクスの ダマしが発生しやすい=信頼性に乏しい、という欠点を補うために杖である%Dの値を Slow%D に入力するパラメーター値 y の期間で平均化・遅行化させてもう一本新しい杖=Slow%Dを作ろうという考え方です。
そして、十分に動きの速い%Dに対してもう一本の杖、Slow%Dが下から支えていると上昇トレンド、上から抑えていると下降トレンドとして捉えようという考え方です。

%DとSlow%D、この2本のラインであらわされているインジケーターをスローストキャスティクス、もしくは単にストキャスティクスと呼びます。(現在ストキャスティクスと呼ばれているのはコチラのスローストキャスティクスのことを指しています。)

【考察】価格チャートにストキャスティクスは反映させられるのだろうか?

以上のことを整理して考えると、ストキャスティクスのすべての値はプライスアクションによって算出されている、という事が分かります。当然と言えば、当然すぎるのですが…)
ということはストキャスティクスの値を実際の価格チャート上に出すのは可能だという結論に至るわけです。
まず必要なのは%Kに必要な高値安値を算出するには基準となる本数 n 、n本間の最高値を100%、最安値を0%とすれば、ストキャスティクスの目安として使用される80%値、20%値は簡単に算出可能です。
最高値をH、最安値をLとすると

80%ラインは (H-L)×0.8+L で表されます。同様に
20%ラインは (H-L)×0.2+L で表されます。
%Kは (価格-L)/(H-L) と表すことが可能です。
それを実際の価格チャート上に表すとすると
(H-L)×%K+L=(H-L)×{(価格-L)/(H-L)}+L
=価格-L+L
=価格

つまり、価格自体が%Kの値となっていたわけです。(数学に強い方は初めからお察しだったと思います。回りくどくてすいません…)
ということは、%Dの入力値は終値の移動平均のパラメーターと同義という事なんですね。
ここで、いわゆる初期値のパラメーターを振り返ると、最もメジャーな 5,3,3 だったとしたらたった3期間のMAに対する指標だったという事が分かります。
もし、5分足で5,3,3を使用している方がいらっしゃいましたら、それは結構短いピリオドなんだぞ!という事を頭に入れておいても損はないはずです。(ダマしが多い理由もお分かりいただけたはずです。)

まとめると、
%K=終値
%D=(%Dのパラメーター値)期間の終値の移動平均値
Slow%D=(Slow%Dのパラメーター値)期間の%Dの移動平均値

こういうことだと解釈できます。
これらの値を実際に算出して価格チャート上に出力したものが下図になります。↓
(※チャートにChart Stoch.を表示させている状態です)

★結論 ストキャスティクスをチャートに表示することは可能だった!

当サイトで紹介しているChart Stoch.はMTF切り替え機能が付随しております。
A部で表示する時間軸を指定できます。上図では、1時間足チャートに4時間のストキャスティクスを出しています。
4時間足、26本分の高値安値から割り出された買われ過ぎ80%ラインが③、売られ過ぎ20%ラインが④になります。
※当サイトでは、他にMTF_MACD、Chart NEO等のMACDインジケーターを配布しており、時間足に応じて(19,39,12)/(12,26,9)/(6,19,4) のパラメーターを使用しております。
そのパラメーターを根拠にストキャスティクスのパラメーターも(39,12,12)/(26,9,9)/(19,4,4) を基本として使用しております。
①が%Dラインとなっております。値は終値の9期間の移動平均値となります。
そして②が①の9期間の移動平均、つまりSlow%Dの値となります。

では、これをMTF Stochasticとあわせて確認してみましょう。

価格チャート上に表されているのが4時間足のMTFなので、下ウィンドゥMTF Stochasticの緑ラインとチャート上のピンクラインが同じストキャスティクスのラインとなります。
どうでしょうか?結構、面白いことが見えてきますよね。

チャートって本当に面白いですねっ!

ご興味ある方はぜひ使ってみてくださいね。

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